Biospireを支えるサイエンス

iPS創薬

①疾患モデル

 

 iPS細胞とゲノム編集の技術を使いこなすことにより、創薬探索に適した疾患モデルを作製することが可能です。最も代表的なモデルは、健常人ドナーから誘導したiPS細胞を用い、これに目的となる疾患遺伝子を、ゲノム編集の技術を用いて導入し、その後肝臓や膵臓等の細胞に分化誘導して、創薬探索のツールとして用いる方法です。この際に、ゲノム編集をあえて行わずに分化誘導させる細胞も調製することで、疾患の有無のみがことなるコントロール (isogenic control) も得ることが可能になります。これは、従来動物を用いた疾患モデルが使用されてきた創薬探索における細胞ツールの概念を変えることのできる技術として、希少疾患向け創薬の開発を加速化させるツール等として、広く採用が始まっています。また、元細胞として、特定の疾患を有するドナーから得たiPS細胞を用いる場合や、更にこの疾患iPS細胞を健常細胞に戻し、薬効の検証を確認する方法も採用されております。

 

 

 肝臓への分化誘導系では、主要な代謝疾患モデルが現在までに作製され、最近ではNAFLD等の脂肪肝モデルの作製も行われ始めています。膵臓細胞に分化させた疾患モデルは、いわゆる糖尿病モデルとして使用することができ、主要な一型糖尿病モデルが現在までに作製されています。また小腸オルガノイドにおける疾患モデルは、主に排出系のトランスポーターに関わる遺伝子を単一もしくは複数でノックアウトさせることにより、どのトランスポーターが働くのかメカニズム解析を行うツールとして用いられています。今後、心筋の疾患モデルも作製されるプラットフォームについても開発される予定です。

 

②安全性評価モデル

 

 iPS細胞のもう一つの創薬応用として、薬剤の安全性評価に用いるというコンセプトが広く各国のコンソーシアム含め検証されています。iPS細胞から分化誘導され、かつ高い機能性を保持する細胞は、初代細胞よりも入手がし易く、細胞ロット間の差異が少ないことが長所となり、また細胞株よりも機能が初代細胞に近いことなどが長所となり、製薬企業における安全性評価部門における検討が継続しています。

 

 しかしながら、フラスコ上で平面培養させたiPS由来細胞(例えば肝細胞)では安全性評価に必要な機能が十分に発揮されていない事実も近年明らかになっており、より生体に近い模擬環境づくりとして、3次元プラットフォームにおける長期培養や、共培養系の採用の実証試験等が行われています。

 

 Biospireでは国内外の3次元プラットフォーム企業等との提携・ネットワーキングを行っており、最新のMPS (Microphysiological System) を含めた先端技術にアクセスすることが出来ます。

 


創薬化学

一般にメディシナルケミストリーや「メドケム」と呼ばれる分野であり、効能が保証され、毒性が少なく、特許性に優れ、スケールアップ対応が可能、などといった多くのカテゴリーが要求される化学合成の分野です。理論的に創薬の対象となり得る化合物の種類は、10の40乗個以上と言われているものの、現実的にこのように多種の化合物を合成することは不可能であり、世界最大規模の製薬メーカーにおける化合物ライブラリーでさえも、300万(10の7乗レベル)個程度のストック量と言われています。

 

このため、創薬化学の世界では、いかに「質の高い多様性」が担保された化合物ライブラリーを確保するかが重要な要素となり、その上で下術のIT創薬やバーチャルスクリーニングと、実際の化学合成を伴うスクリーニングの効率化が求められています。

 

Biospireは、常に薬効(ファーマコフォア)が高く多様性に優れる化合物ライブラリーを定期的にアップデートする化学企業とタイアップし、これらの化合物をグローバルマーケットに紹介するビジネスを手掛けております。


In-Silico創薬