ヒト肺細胞-開発中期

DefiniGEN ヒト肺細胞

Def-Lung細胞製品は、NKX2.1、GATA6、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTR)を発現する成熟末梢気道上皮細胞集団であり、細胞は界面活性剤プロテインであるSFPTCならびに、肺機能に重要な役割を果たす肺サーフアクタントATP 結合カセット輸送蛋白 A3 (ABCA3)を分泌します。DefiniGENでは、非疾患(野生型)の肺モデルと嚢胞性線維症(CF)疾患モデルの両タイプの開発を継続している。 CFは世界で最も一般的な遺伝性疾患の1つであり、ヨーロッパでは2,000人の新生児に対し1名の割合で、現在は肺移植が唯一の有効な治療法でしかない。 CFはCFTRの変異によって引き起こされ、その結果、肺上皮全体における塩化物および水の輸送における不規則性が生じます。細胞モデルは、CFTRの表現型を反転させる働きを持つ低分子の有効性を予測するために使用されております。例えばDef-LUNG CF疾患細胞モデルは、低分子VX809の存在下で培養され、薬効の確認等に用いられています。予想通り、Def-LUNG CF疾患モデル細胞は、塩化物の輸送を行うことが出来ませんでしたが、VX809で処理した細胞は、MQAEアッセイにより塩化物流入量を追跡したところ、非疾患(野生型)Def-LUNG WT細胞と同効率の塩化物輸送レベルを確認することができました。この結果を更に強調するために、CFTRに対して産生された抗体を用いた免疫細胞学試験を行いました。非疾患モデル細胞は、細胞表面上に高レベルのCFTRが認められましたが、デルタ-f-508細胞においては、CFTRの欠損が更に強調された表現型が認められました。またこのデルタ-f-508細胞をVX809で処理した後は、非疾患モデル(野生型)細胞で観察されたものと同様のレベルでCFTRのレベルの発現を認めました。

製品ID:

Def-LUNG WT
フォーマット  非凍結プレートフォーマット(暫定)
細胞数 オルガノイド数により定義(要問合せ)
疾患 無し(健常ドナー)
用途 基礎研究・創薬

機能特性

CFモデル

技術情報


 

前腸幹細胞から機能的な気道上皮が形成されます

早期肺遺伝子NKX2.1およびFOXP2といった、早期の肺細胞に関する遺伝子の発現を誘導するためには、前腸幹細胞をFGF10およびレチノイン酸で処理することが不可欠でです。 FGFインヒビター(SU)を用いたFGFシグナル伝達が存在しない培養条件では、NKX2.1もFOXP2ともに発現が認められません。 また、レチノイン酸を除去した培養条件下では、FOXP2発現の喪失が認められました。

図1. ICCによる発現遺伝子解析結果。FGF10およびRAを含む培地中で培養したhFSCs (前腸幹細胞)からは、初期の肺細胞前駆体遺伝子であるNKX2.1およびFOXP2の共発現が認められた一方、FGF阻害剤SU5402、RAを含まないFGFおよびFGF2により培養されたhFSCsについてはこれらの遺伝子の発現は認められなかった。スケールバー: 100µm。

 

 

成熟した肺内胚葉からは、末梢気道マーカーであるNKX2.1および成体の機能マーカーpro-surfactanct Cの発現が認められました。

図2. 成熟された肺内胚葉から、末梢気道マーカーであるPro-SFPTC, CK18およびNKX2.1が確認されたことを示すICC解析結果

図3. フローサイトメーターによる末梢気道マーカー(Pro-SFPTC, NKX2.1およびPro-SFTPC)の存在比分布。赤:陽性染色、灰:アイソタイプ(コントロール)

 

主要肺マーカー解析

80%以上の肺内胚葉がCFTRを発現し、少なくとも80%がNKX2.1を発現します。

成熟界面活性タンパクを評価したELISA分析から、肺上皮が界面活性剤を作製・分泌できることが示されました。また、塩化物感受性色素(MQAE)を用いて、肺上皮がCFTRを用いて塩化物を輸送できることが示されました。

図4.  成熟された末梢気道上皮からSFTPCが検出されたことを示す、SFTPC酵素結合免疫吸着アッセイの結果

 

図5. 塩化物の存在下では色素からのシグナルは消光され、塩化物の非存在下では色素は蛍光を発し、これは塩化物が細胞の内外へ移動したことを表す。 CFTRの阻害剤(青色)を使用した場合、蛍光の変化は観察されず、CFTRが塩化物輸送に対し特異的に働くことを実証している。